球速×遠投距離
自分の球が何キロくらいでているか気になったことはありませんか?
スピードガンやラプソードなどの機器により球速を計ることができますが、個人でも持っている人は少ないでしょう。
高価な機器がなくても球速がどの程度か知る簡便な方法として、遠投の飛距離があります。
肩の強さの目安として、プロの入団テストでは遠投90メートル以上が一次審査通過の条件の一つになっていたりします。
今回は遠投飛距離から球速を推定できるよう、各球速における最大飛距離を軌道計算で求めます。
遠投飛距離の軌道計算
[計算条件]
球速をパラメータとして振り、20キロから170キロまで計算します。
回転数は各球速の平均値とします。回転数は球速に比例する傾向があります。
回転軸はプロ右投手の平均的な4シームのものとします。球速の遅い、したがってレベルの高くない選手ほど、シュート成分やジャイロ成分が多く混じる傾向にありますが、球速が遅いほど回転による変化の影響が小さくなるため今回は球速によらず一定としました。
投げ出すときの上向き角度は、各球速で飛距離最大となる角度とします。これは30-40度の範囲で、球速が多きほど角度が小さくなります。
リリースポイントは地上1.5メートルとします。
[計算結果]
各球速での軌道計算結果は、以下のようになりました。
20キロから170キロまで、10キロおきの投擲軌道です。
球速 [km/h] | 遠投最大飛距離 [m] | (参考)ホームベースからの距離 |
---|---|---|
20 | 4 | |
30 | 8 | |
40 | 14 | |
50 | 20 | ピッチャープレート 18.44m |
60 | 27 | 一塁 27.34m |
70 | 36 | 二塁 38.8m |
80 | 45 | インフィールドライン 47.5m |
90 | 54 | |
100 | 64 | |
110 | 74 | |
120 | 85 | レフト守備位(プロ、目安) 80m |
130 | 95 | |
140 | 106 | レフトポール 100m |
150 | 116 | |
160 | 126 | センターフェンス 122m |
170 | 135 | |
|
お子様レベル
野球経験のない小さな子供や女性の球速は、おおよそ50キロ以下です。
ホームベースとマウンドの中間ぐらいまで、ノーバウンドで届くなら、球速は30キロぐらいです。
マウンドからキャッチャーまでノーバウンド投球できれば、50キロ以上出ています。
草野球レベル
試合にでるなら塁間(27.43メートル)をノーバウンドで投げられる肩の強さは欲しいものです。そのためには60キロ以上が必要です。
対角線(38.795メートル)をノーバウンドで投げるには、75キロ以上が必要です。
山なりにならず低い送球をするにはもっと球速が必要です。
ホームベースからセンター方向に向かって投げ、インフィールドラインを超えたら、80キロ以上出ています。
高校野球レベル
小中高と野球を続けていく中で100キロの大台に達すると、遠投飛距離は64メートルまで伸びます。
100キロというと、プロ投手のイメージでスローボールと思われがちですが、それなりに速いです。実際大人でも100キロ出ない人は大勢います。50メートル走の走路を挟んだ距離でキャッチボールできると考えると、それなりの肩の強さです。
投手で甲子園を目指すなら、ストレートの球速は130キロ以上欲しいところです。130キロは、遠投距離では95メートルが目安になります。
プロ野球レベル
プロ野球の入団テストが行われていたころ、一次審査の遠投では90メートル以上とされることが多かったようです。これをパスするには125キロ以上の球速が必要です。野手でも、プロを目指すなら90メートルは超えたいところです。
またこれだけ飛距離が大きくなると回転の影響も大きくなってきます。シュート回転やジャイロ回転成分が少なく、きれいなバックスピン回転だと飛距離が伸びます。
また風による影響も大きくなります。
プロ投手のストレート平均球速は145キロです。遠投距離に換算すると110メートルになります。プロの投手が本気で遠投をすれば、バッターボックスからレフトスタンドに放り込むことができることになります。
遠投王レベル
遠投といえば元中日の英智選手が有名です。
ナゴヤドームでホームベースから投げ、122メートル先のセンターフェンスに直撃した一投が衝撃的で、一躍強肩外野手として知れ渡りました。
ドーム球場なので、追い風の助力はありませんでした。完全な自力です。
この時の飛距離を125メートルとすれば、球速は160キロ出ていたことになります。
助走ありとはいえ、すごい肩です。
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あなたの球速は何キロでしたか?
ではまた。
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