壁当て
壁当てで、速い球をぶつけると強い球が跳ね返ってきます。遅い球なら、弱く跳ね返ってきます。
では、強打者に対しスローボールを投げれば、たとえ芯でとらえられても、跳ね返りが弱くなり、打球を弱めてホームラン阻止をすることができるでしょうか?
打球速度計算
同じスイングスピードで剛速球とスローボールを打ち返したとき、どのくらい打球速度が変わるのか、打球速度シミュレータver2.1で計算してみます。
計算条件
投球速度は140km/hと100km/hとします。これらは打つ直前の終速ですから、初速では150km/h超の剛速球と110km/hちょいのスローボールに相当します。
スイングスピードは140km/h、反発係数は0.4134で共通とします。
計算結果
結果は以下のようになりました。
140km/hの剛速球では打球速度は173km/h、100km/hでのスローボールでは164m/hとなりました。
投球を40km/h遅くすると、打球速度は9km/h遅くなるという結果になりました。
投球を遅くした分に比べると、打球速度の低下は小さいです。
寄与度18%
なぜこれだけしか変わらないかというと、ボールがバットよりもずっと軽いからです。
ボールを145g、バットを900gとすれば、ボール重量はバットの1/6弱です。(145/900≒1/6.2)
投球速度とスイングスピードが打球速度に与える影響度は、打球速度シミュレータ内の衝突行列[A]の成分を見ると分かります。各成分はボール、バットの重量および反発係数から構成されます。(式は第130回参照)
下図のJ4セルの値a11=-0.22は、投球速度v1の打球速度u1への寄与度を表します。(マイナスがついていますが、u1<0なのでのa11×u1>0になります。)
K4セルのa12=1.22はバット速度v2の、したがってヘッドスピードv2hの打球速度u1への寄与度の大きさを表します。
投球速度の打球速度への寄与度はスイングスピードの1/5弱にすぎません。(0.22/1.22≒1/5.6)
投球速度vs打球速度
投球速度を100km/hから150km/hまで変えた場合の、打球速度計算結果は以下のようです。
投球速度が10km/h遅くなるごとに、打球速度は2.2km/hずつ遅くなっていきます。
100km/hのスローボールを投げると、150km/hの速球に比べ打球速度が11km/h遅くなります。
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