ホームランを打つためには打球速度が大きいことが必須であり、そのために一定以上のスイングスピードが求められる。
では、どのくらい必要だろうか。
必要な打球速度
ホームランを打つために必要な打球速度は、140km/hである。
これは最低限である。140km/hでは打球角度と回転が最適条件かつ、最も距離の近いポール際へ飛んだ時に限り、フェンスを越えることができる。
フェンスまでの距離が最も遠いセンター方向へホームランを打つには、160km/h以上の打球速度が必要となる。
以下は、最適条件(打球角度上向き30度、毎分2500回転のバックスピン回転)での、打球軌道計算結果である。
打球速度vs飛距離 (第30回) |
飛距離は打球速度にほぼ比例する。
必要なスイングスピード
ホームランを打つために必要なスイングスピードは、上記の打球速度を出すために必要なスイングスピードである。
スイングスピードと打球速度の関係は以下のようである。投球速度130km/h、反発係数0.413の条件で打球速度計算を行った。
打球速度140km/hを出すためには、スイングスピード112km/hが必要である。
打球速度160km/h出すには、スイングスピード133km/hが必要である。
角度と回転をつけるために
飛距離を出すためには打球速度だけでなく、適度な打球角度とバックスピン回転も求められる。
そのためにボールの中心より少し下を打つが、そうすると上のグラフよりも打球速度は落ちる。
実測データによれば、打球角度が上向き10度で打球速度は最大となり、ホームランに最適な30度ではそれより10km/h程度遅くなる。(*1)
それを考慮し+10km/hのスイングスピードが必要と仮定すると、両翼100メートルのフェンスを越えるにはスイングスピード122km/h以上が、センター122メートルを超えるには143km/h以上が必要になってくると考えられる。
参考文献 :
(*1) 科学するバッティング術 柳澤修・若松健太監修 英和出版社 (p39 図3)(*2) BBMスポーツ科学ライブラリー 科学する野球 バッティング&ベースランニング平野裕一著
ベースボール・マガジン社(図30)
素振りで測定する場合
それを考慮してさらに+15km/hのスイングスピードが必要と仮定すると、素振りで測定したスイングスピードの場合、両翼100メートルのフェンスを越えるにはスイングスピード137km/h以上が、センター122メートルを超えるには158km/h以上が必要になる。
これはかなり高いハードルである。
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