2020年10月3日土曜日

第36回 後攻をとれる確率



どちらが有利か?       

野球の試合で先攻と後攻を選べるなら、どちらにしますか?

一般的には後攻の方が有利だといわれており、人気があるようですね。

プロ野球では後攻の方が勝率が高い、という統計的な結果が出ています。

しかしながら、後攻の時は必ずホームゲームなので、ホームゲームが有利という要因も上乗せされており、純粋に後攻が有利とする根拠には弱いようです。

ホームゲームの関係ないアマチュア野球については意見が分かれますが、後攻有利説がやや優勢なようです。


唐突な問題       

さてここで、

唐突に数学の問題です。

[問題]

1/3を順に掛けて行くと、以下のようになります。

1/3 = 0.333333333
1/3×1/3 = 1/9 = 0.111111111
1/3×1/3×1/3 = 1/27 = 0.037037037
1/3×1/3×1/3×1/3 = 1/81 =0.0123456789


では、

これをずっと永遠に続けて行き、全部足し合せたらいくつになるでしょう?

1/3 + (1/3×1/3) + (1/3×1/3×1/3) + (1/3×1/3×1/3×1/3) +
=(1/3)^1 + (1/3)^2 + (1/3)^3 + (1/3)^4 +
=????


[問題おわり]


これは等比級数の和の公式を使うことで解くことができます。

※ここからしばらく数学の計算が続きます。
面倒な方は(*゚▽゚)まで読み飛ばしてください。


[解答]

等比級数の和の公式
Sn = a + a×r + a×r^2 +a×r^3 + … + a×r^n
= a×(1-r^n)/(1-r)

今回の場合
a=1
r=1/3
求める解x =Sn-a
なので、

x= a×(1-r^n)/(1-r)- a
    =(1-(1/3)^n)/(1-(1/3)) 1

 ここで、
1より小さい数はかけるごとに小さくなっていくため
n=∞のとき、(1/3)^n0となる。

従って
x=(1-0)/(1-(1/3)) 1
 =3/(3-1)-1 = 3/2 - 1 = 1/2

[解答おわり]

(*゚▽゚)

と言うわけで全部足し合せると1/2になります。

実はこの問題、
こんなにきちんと計算しなくても答えは分かるのです。



別解         

話を元に戻します。

先攻、後攻についてですが、高校野球の甲子園ではルールとして「審判委員立会いのもと、両校主将のジャンケンで決定される」ことになっているそうです。

では、二人でジャンケンしましょう。




一回目で勝つ確率はグー、チョキー、パーどれをだしても1/3です。
一回目はあいこで、二回目に勝つ確率は1/3×1/3です。
一、二回目ともあいこで、三回目に勝つ確率は1/3×1/3×1/3です。

気づきましたか?

何回目でもよいからとにかく勝つ確率は

1/3 + (1/3×1/3) + (1/3×1/3×1/3) +(1/3×1/3×1/3×1/3)+

です。

そうです、

先ほどの問題と同じです。

ジャンケンで勝つ確率が1/2なのは自明ですね。


逆に言えば、ジャンケンは数学的に完全に平等であることが証明されているので、安心して勝負を運にまかせることができるのです。

パチンコや競馬などは胴元が確率を巧妙に操作しており、運任せではかならず消費者が損をするようにできています。

野球賭博もです。

気を付けてくださいね。


余談         

こんな話もあります。

 


ゆうとくんは誕生日に、魔法のケーキと魔法のナイフをもらいました。

魔法のケーキはいつまでたってもくさりません。
魔法のナイフはどんなに適当に切ってもちょうどに半分になります。

ゆうとくんはケーキが大好きなので毎日毎日
このナイフでケーキを半分に切って一切れずつたべます。

一日目はホールのケーキを半分に切って、片方を食べて、片方をとっておきました。

二日目はとっておいたケーキを半分に切って、その片方を食べて、もう片方をとっておきました。

三日目も、四日目も同じです。

人にあげたりせず、全部ひとりでたべるつもりです。


ところで、もうひとつもらったものがあります。


それは「永遠の命」です。

さて、今から一億年後の未来、
ゆうとはどれだけたくさんのケーキを食べているでしょう?



...そう、たった一個です。





では、また。







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