左利き10% << 左打者40%
左利きの人の割合は、人口の約10%です。
これはもう、左打者の方が内野安打になりやすいということを疑う余地はありません。
これは大昔から変わっておらず、数万年前の古代人も現代人と同じように左利きは10%程度でした。
どうやって調べたかというと、洞窟の壁画や石器の傷跡の向きからどちらの手で作業したか推測したそうです。
どうやって調べたかというと、洞窟の壁画や石器の傷跡の向きからどちらの手で作業したか推測したそうです。
このことから利き腕は文化により決まるわけではなく、遺伝的に先天的に決まるのだと考えられています。
ただし、戦前日本においては左利きは不作法とみなされ矯正される文化であったため、
5%程度と低かったそうです。
本当は左利きの人が10%いても、箸を左手で持つ人は5%しかいなかったわけです。
本当は左利きの人が10%いても、箸を左手で持つ人は5%しかいなかったわけです。
さて、野球のバッターはどうでしょうか。
左利きの人はそのまま左打ちになりますが、右利きなのに左打ちに転向する人が結構います。
左利きの人はそのまま左打ちになりますが、右利きなのに左打ちに転向する人が結構います。
現代のプロ野球界において数えてみると、およそ左打者の割合は40%もいます。
左利き割合の4倍もの多さです。
引き算すると、右利きなのに左打ちに転向した選手が、全体の30%もいるということになります。
ちなみにプロゴルフの左打ちは約3%しかいません。
なぜ左打ちが増えるのか
野球においてこれほど左打ちの割合が多いのなぜでしょうか。
真っ先に思いつくのが、「左打者の方が一塁に近く、内野安打が増える」というメリットがあることです。
実際、NPB 2018年データを調べてみると、なんと、セ・パ両リーグの内野安打数トップ5の11人全てが左打者です。
右打者は一人もランクインしていません。
内野安打数トップ5(2018年シーズン)
そこで今回は、「左打者は右打者に比べどれくらい一塁に近い」のか、バッターボックスから一塁ベースまでの距離を、グラウンド寸法から幾何学的に計算してみました。
一塁ベースまでの距離計算
[計算条件]
・スタート地点はホームベース後端から52cm離れた位置とする。
(ボックスラインから約15cmの位置)
・ゴール地点は一塁ベース手前ライン側の角とする。
[計算結果]
走路を斜辺とした直角三角形を考え、三平方の定理により計算します。
左打席
Ll =√ { (Lo/√2)^2 + (Lo/√2 - s)^2 }
=√{ (27.05/√2)^2 + √(27.05/√2 – 0.52)^2 }
=26.69 [m]
右打席
Lr = √{(Lo/√2)^2 + (Lo/√2 + s)^2 }
=√{ (27.05/√2)^2 + √(27.05/√2 – 0.52)^2 }
=27.42[m]
左右差
ΔL = Lr - Ll = 27.42 – 26.69 = 0.73[m]
[計算結果おわり]
打席から一塁までの距離は左打者が26.69mで、右打者が27.42mです。
その差は0.73m。
よって右打者よりも、左打者のほうが一塁まで73cm近い、という結果になりました。
距離差以上に時間差あり
距離の差は上記の通りですが、では一塁到達までの時間の差はどれくらいになるでしょうか?
仮に、打者走者の一塁ベース付近における走速度を7.3[m/s](=26.3[km/h])とすると、この73cmの距離差は一塁到達時間にして0.1秒の差になります。
さて、これを実際に選手が走ったときのデータと比べると、どうでしょうか。
[実測データとの比較]
実測データによるとプロ野球の一塁到達時間はおおよそ、左打者が3.7-4.5秒、右打者が4.0-4.7秒となっています。
実際には左右の差は0.3秒ほどで、上記の計算結果0.1秒よりもさらに大きな差があります。
その要因として、次のことが考えられます。
・左打者はスイング後に体が一塁方向を向くためそのまま真っすぐ走り出せるのに対し、
右打者は90度横に向かわなければならないためスタートが遅れる。
・走力が高い選手ほど左打ちに転向する傾向にある。
一つ目については、実際アウトローの球に泳いだ時やセーフティーバントのときには、その不利がなくなるため、右打者であっても一塁到達タイムが4.0秒を切ることがあるようです。
((参考)パリーグTV : https://www.youtube.com/watch?v=ygH6uLlmxWs)
((参考)パリーグTV : https://www.youtube.com/watch?v=ygH6uLlmxWs)
では、また。
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