2020年8月29日土曜日

第31回 ナゴドと東京ドームどちらが広いのか?

 

日本一ホームランの出ない球場            

ナゴヤドームは日本一ホームランの出にくい球場です。

一方で、東京ドームではホームランが出やすく、空調で追い風を起こしていると噂が立つほどです。

しかし両翼、センターフェンスまでの距離はどちらも同じで100m,122mです。


ではなぜ、ナゴヤドーム方がホームランが出にくいのでしょうか?


ナゴヤドーム                     

ナゴヤドームは1997年に開場した中日ドラゴンズが本拠地としている球場です。

名前の通り愛知県の名古屋市にあり、上空から見るとまん丸の形をしています。

過去にはAKB総選挙やボブサップvs曙が行われ、野球以外のイベントにも広く使用されます。

そんなナゴヤドームですが、外野フェンスの形状は下図の青線のようになっています。

一見、外野フェンスはホームベースを中心点とした円弧のように見えますが、そんなことはありません。

両翼100m、センター122mですので、ホームベースから外野フェンスまでの距離は一定ではありません。

引張ったり流し打ったりするよりも、センター返しした時の方が打球が速く遠くまで飛ぶため、野球場はどこも両翼よりもセンターの方が広く設計されています。


美しい円弧                      

しかしそれでも、円弧に見えます。

なので作図して調べてみました。


その結果、やっぱり円弧でした。

ただし、その円の中心点はそれはホームベースではなく、センターラインとインフィールドラインの交点あたりにありました。

ホームベースからピッチャープレートまでが18.44mであり、インフィールドラインはピッチャプレート中央を中心点とした半径約29mの円弧のため、ナゴヤドームの外野フェンスは半径74.5m(=122-18.44-29)の円弧になります。


また、外野フェンスの円弧の中心点は、ナゴヤドームという建造物全体の中心点と一致しています。

外観、5階席、外野席、そして外野フェンス。すべてが同じ点を中心点とした円弧、すなわち同心円になっています。

美しいですね。

同心円の幾何学的美しさを持つと同時に、両翼100m,センター122メートルというプロ野球の標準的寸法もクリアしている。

素晴らしい設計です。竹中工務店はいい仕事をします。


  • ナゴヤドームの外野フェンスは半径74.5mの円弧である。
  • その中心点は建物全体の中心点と一致しており、同心円になっている。

東京ドーム                     

東京ドームは東京都文京区にある、読売巨人軍が本拠地としている野球場です。

かつては日本ハムファイターズも本拠地としていましたが、何か不満があったようで北海道へと移転しました。

開場は1988年と古く、外野席の足元のコンクリートにはひび割れも多く見られます。

そんな東京ドームですが、外野フェンスの形状は下図の橙線のようになっています。


両翼とセンターを結ぶ右中間、左中間のフェンスをみると随分と真っすぐです。

ナゴヤドームの円弧の丸みとは対照的です。


凹んだ正方形                     

今では誰も言いませんが、開場当時はビッグエッグ(巨大な卵)という公式ニックネームがついていました。

しかし上空から見た形状は卵型ではなく、四角い形をしています。

内装を見ると内野席が非常に広く、外野席は極端に狭くなっています。

外野フェンスを含めたフェアゾーンをみるとやはり四角く、正方形に近いように見えます。

正方形なら対角線つまりホームからセンターまでの距離は100m×√2=141.4mとなるはずですが、センターまでの距離は122mなので実際は正方形からセンターを凹ませた形になっ
ています。

すこしいびつな形です。


  • 東京ドームの外野フェンスはまっすぐである。
  • フェアゾーンは正方形からセンターをへこませたような形である。


比較                         

ナゴヤドームと東京ドームは両翼、センターの距離は同じでも、外野フェンスの形状が大きく異なることが分かりました。

両者を重ねることでどのくらい違うのか見てみます。

下図のようになりました。

ホームから右中間、左中間フェンスまでの距離がまるで違います。

ナゴヤドームの円弧で描かれた外野フェンスは、その深いふくらみでもってホームランになるはずの大飛球をフェンス直撃のツーベースヒットに変えてしまいます。

東京ドームの外野フェンスは、浅いふくらみによりフェンス手前で捕られてしまうはずの外野フライをホームランに変えてしまいます。


*****
統一しろよと怒る人もいるかもしれませんが、メジャーリーグでは球場による違いはもっとばらばらです。

グリーン・モンスターやタルズ・ヒルなどひどいものですが、逆に名物として親しまれています。

多様性も含めて野球を楽しめるのが一番ではないでしょうか。




では、また。






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