パークファクター最小
同心円の円弧
バンテリンの外野フェンスは、真円のドーム全体や5階席と同じ中心点を持つ、同心円で描かれています。幾何学的に非常に整った形状をしています。外野フェンスまでの距離の計算式
下図のように、外野フェンス上の点をa、ホームベースから外野フェンスまでの距離をr、打球の左右方向角度をセンターラインを基準にθとします。
r'とO'は外野フェンスの円弧の半径と中心点です。値は上記のようにr'=74.388[m]およびO'の座標(xo,yo)=(0,47.612)です。
r'^2=x^2+(y-yo)^2 -①
x = r・sinθ -②
y = r・cosθ -③
r'^2 =(r・sinθ)^2+(r・cosθ-yo)^2
=r^2 - 2r・yo・cosθ + yo^2
r^2 - 2r・yo・cosθ - (r'^2 - yo^2 ) = 0 ‐④
r = yo・cosθ + √{(r'・cosθ)^2 + (r'^2 - yo^2 )} -⑤
r = 47.612・cosθ + √{(74.388・cosθ)^2 + (74.388^2 - 47.612^2 )}
= 47.612・cosθ + √{5533.537・(cosθ)^2 + 3266.611} -⑤'
打球方向による外野フェンスまでの距離
グラウンド上へプロット
HRを量産するコツ
三冠王落合博満さんはレフトへライトへの広角打法でした。これは広角に打つのが目的ではなく、距離の遠いセンター方向を避けることで効率よくホームランを量産していたということです。
大谷選手もメジャー1年目の2018年はセンター方向へのホームランが多かったですが、今シーズン21年ではライト方向へのホームランの割合がかなり増えました。それがシーズン46本塁打という日本人記録の大幅な更新に繋がった一因だといえます。
強打者ならばセンター方向へ打ってもホームランは打てますが、それは年に数回しかない本当の会心の当たりのときのみです。年に何十回とは打てません。
例えば、155km/hの打球速度ではセンター方向へ打つと122メートル未満の飛距離しか出ないためフェンスまで届きません。それならば、もっとタイミングを遅らせて仮に5km/h打球速度を落としてでもライトポール際へ流し打つことができれば、これはホームランになります。150km/hの打球速度でも100メートル以上の飛距離は十分出せるためです。
ホームランテラス待望論
さて、今回計算したようにバンテリンドームは左中間、右中間が深くなっており、そのためホームランが出づらい球場です。正直ファンからも不評でホームランテラス待望論が上がっています。
テラスが設置されれば得点が入りやすくなり、もっと試合が面白くなるかもしれません。
しかし個人的にはテラスには反対なのです。
何故かというと一つには、同心円の幾何学的な建築物としての美しさが損なわれるからです。
もう一つは、中日が強くなることに繋がらないと考えられるからです。
投高打低のチームですが、それはバンテリンドームに限ったことでなくビジターの狭い球場でも打線は同じように点をとれていません。そのためバンテリンが狭くなっても得点が増えるとは期待できません。
広いバンテリンでは外野手が後ろに下がっているため、前に落ちるヒットが増えます。ランナーが出て得点圏になるとバックホームのために前に出てきます。そうすると同じ当たりでも捕られてしまい結果、チャンスは作れてもあと一本が出ず無得点に終わります。
これが狭いビジター球場だと最初から前にいるためチャンスすら作れずに終わってしまいます。
またそのような貧打線にも関わらず投手陣の踏ん張りにより、ホームのバンテリンでは勝ち越しています。良い結果が出ているならば、下手に変えない方が得策です。
さいわい立浪新監督もテラス設置は要望せず、石川昴弥選手など有望選手の長打力を伸ばしていく方針のようなので期待して来シーズンを待ちたいと思います。
では、また。
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