低いリリースポイント
女子ソフトボールの投球は、プロ野球の打者でもまともに打つことができません。
特に、高めのライズボールはボールの遥か下を空振りします。
ウインドミル投法でぐるっと一回転して勢いのついたボールは、膝の高さから投げ出されます。
低いリリースポイントから上向きに投げることにより、浮き上がるような軌道になります。
野球でもアンダースロー投法では低いリリースポイントから上に向かって投げ出されますが、女子ソフトの球ほどの威力はないようです。
体感速度
女子ソフトの球速は110km/hほどで、野球ならスローボールに分類される遅さですが、バッテリー間の距離が近いため速く感じます。
体感速度は160km/hとも言われています。
実際、以前行った計算の結果はリリースからホームベース到達までの時間は160km/hのストレートとほぼ同じで約0.4秒でした。
アンダースローの球速は130km/hです。ソフトに比べると体感速度は遅くなります。
浮き上がるような軌道
浮き上がるような軌道についてはどうでしょうか?
ソフトボールとアンダースロー、どちらがより浮き上がるような軌道であるか、軌道計算をし角度を比べてみます。
ソフトとアンダースローの軌道計算
ソフトボールは球速110km/hのライズボール、アンダースローは球速130kmhの4シームとします。比較のためオーバースロー160km/hの4シームも追加します。
いずれも高めのコースとします。
[計算結果]
計算結果は以下のようになりました。
グラフ上の点は0.02秒ごとのボールの位置を表します。ホームベース上では軌道が重なって見づらいため、拡大図を追加しました。
また投げ出すときおよび、ホームベース上での上下方向の角度も記載しました。
投げ出すときの角度はソフトボール、アンダースロー共に上向き5.0°で同じになりました。
一方、ホームベース上での角度はソフトが上向き0.2°、アンダースローは下向き1.6°です。
ソフトボールの方がより浮き上がる軌道になっています。下から上
重力による落下量は時間の2乗に比例します。そのためリリースからホームベース到達までの時間が長いアンダースローの方がよりお辞儀した軌道になります。
ソフトボールはホームベース上でも水平よりも上向きの角度で、下から上にボールが飛んでいるため、野球用のアッパースイングでは当てるのが難しくなります。
野球ではタブーとされるダウンスイングもソフトボールでは有効なテクニックです。
オーバースロー160km/h
オーバースローのストレートはリリースポイントが高いため、下向きに投げ出されます。そのため、軌道のお辞儀は小さくとも、ホームベース上では下向き4.1°の角度で飛んでいます。
同じ体感速度でもソフトボールとは4.3°角度がずれています。
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